建物に使用される断熱材には様々な種類があり、使用環境や求められる能力により選定されています。省エネ性能やコストも検討する中で重要である事に変わりはありませんが、建物の基本性能としての安全性を確保できる製品の選定が必要ではないか?と考えます。
RC造の外断熱工法は躯体蓄熱を利用することにより、省エネ効率の最も高い工法です。しかし、内断熱工法とは違い外壁側に断熱材を使用しているので、使用する断熱材によっては安全性の確保が難しい事も現実です。2017年6年に英国・グレンフェル・タワー火災では約80人が犠牲となる火災事故が発生しております。その外の火災事故を調べてみると、外断熱工法物件の火災事故の特徴として「延焼がとても早い」事が挙げられます。
中国TV局火災事故では地上30階建てが2時間30分で全焼、韓国住商複合施設火災事故では約30分で最上階まで延焼との記事がありました。※下記画像は英国グレンフェル・タワー火災画像です。
内断熱工法は耐火構造の躯体に囲まれているので、放火や延焼には外断熱工法に比べ優位性はあると思います。しかし、ホクト工場火災事故、明治フレッシュ物流倉庫火災事故などの火災事故例を調べてみると、ウレタン系断熱材燃焼時に発生するシアンガスによる中毒死や、GL工法などの壁内空隙部で延焼が拡大するケースがあり、断熱材表面に火災に強い被覆をしても完全ではない事がわかりました。内断熱工法でも外断熱工法でも空気の通り道は、火災時に火の通り道に成り、燃えやすい断熱材であるほど被害が拡大している事がわかりました。
建物を建築するにあたり、さまざまな工法や資材がある中、安全性を確保する要素の一つとして、
”燃えない・有毒ガスが出ない・変化しない”断熱材使用が人と建物・生活を護る上で必要であると考えます。
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