前回は、建物外部からの物理的衝撃をイメージして、タイル面から打撃を加えタイルの破損状況及び剥離の確認を行いました。
今回は、地震や振動、地盤沈下により建物内部(躯体)の破壊や破損が生じた場合をイメージして、断熱材面より打撃を加え破壊してみようと思います。
打込みの場合は全面を接着されておりますが、本試験は検体単体に打撃を加え破壊する事から、ねじれや座屈が生じやすい為、検体には不利な環境となるよう想定してます。
断熱材面は打撃を加えたポイント以外に損傷はありません。
タイル面は検体を浮かせ打撃を加えた事もあり、隣接タイルまで破壊されております。
打撃により検体がくの字に折れている事が確認できます。
折れ点の拡大画像です。
張付けモルタルとタイル界面のクラックはありません。
タイル及び検体が折れている事から張付けモルタル面が断熱材面にて破断している事が確認できます。
この段階で検体を逆さまにしても、タイルの剥離はありません。
断熱材が緩衝材となり打撃点以外へは強い振動が伝わってないように思えます。
タイルを人力にて破壊を試みましたが、剥がす事はできませんでした。
そこで、
検体を打撃ラインで捻り引きちぎってみました。
タイル裏面と張付けモルタル及び断熱材面の各界面で剥離は認められません。
躯体のクラックや破断が生じても、表層のタイルに影響が少ない事がわかります。
躯体に著しい破損が生じた場合、通常工法ではタイル面及び張付けモルタル面で剥離する事が多く、タイルの剥離や形状維持が難しいと考えられますが、本外断熱工法ではタイル及び張付けモルタル面で面として形状維持の補助力が多少なりともあると考えられます。
地震被害に直面した際、落下物リスクが低い事から避難経路上に障害物が無く、安全性の担保が可能と思います。
次回はもっと破壊してみようと思います。
直線的な打撃による破壊ではなく、力により曲げ、引きちぎってみます。
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